こんにちは!
なおこです。
2019年9月17日放送のプロフェッショナル、【外国人労働者支援の第一人者・鳥井一平】見ごたえありましたね。
本当に内容が濃くて濃くてとてもまとめきれない…でも、覚えておきたいことが色々とあったので、印象的だった部分をまとめてみました。
鳥井一平さんの活動の様子や、ここまで外国人労働者の支援に力を入れるようになったいきさつや、外国の人から相談があった際には活動の中で心掛けていることなどを感想と共に書いてみました。
Contents
「正義と悪では分けられない」という姿勢
わたしが特に印象的だったのは、「正義と悪では分けられない」という鳥井さんの姿勢でした。
そう考えるようになったきっかけは、ある縫製工場で働いている中国人からの相談。
月に230時間の残業、月合計で400時間勤務
基本給が5万円で、残業代の時給は300円
こんな過酷な労働をさせている社長の印象を、
「優しそうなおやじさんだったのよ。本当に優しそうなおやじさんだったの。」
と語る鳥井一平さん。
えっ?って感じでした。
鳥井一平さんは過去のインタビューで、「技能実習制度」が「外国人を低賃金で都合よく使える」ということを可能にしていて、普通の経営者だった人を悪い方へ誘惑している、というような事を語っておられます。
参照:https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/35375/report
この縫製工場の件で忘れられないのが、中国人の女性が自分の気持ちを吐き出していたシーン。
わたしにも娘がいるので、涙なしには見られないシーンでした。
働いている中国の女性は、親御さんにとっては可愛い娘だし、社長さんももしかしたら家ではいいお父さんだったりするのかもしれません。
なのに、いろんな状況が主人と奴隷のような関係を可能にしてしまったということが恐ろしいです。
活動の一例 賃金未払いの会社と交渉
外国人労働者の支援の、具体的な活動内容がわかりましたよ。
自ら運転して現場へ!
鳥井一平さんだ代表理事を務めるNPO法人移住連は、常勤のスタッフやボランティアも働いている組織ですが、相談が寄せられれば鳥井さん自ら車を運転して相談者のもとへ出向いていきます。
番組では実際に、相場以上の家賃を給料から天引きしたり、残業代を支払っていなかったりという問題のあった会社に出向く様子を取材していましたよ。
交渉のときは「靴を磨いていく」?
その会社を訪ねるとき、普段から心掛けていることを明かしておられましたよ。
予告なしで訪ねて行く
靴を磨いていく→経営者に、同じフィールドで話ができる、普通の人だと思ってもらうため
丁寧過ぎない言葉遣いで話す→対等であるため
交渉の席に相談者も同席させる→外国人が自分たちで動けるようにしていくため
実際、鳥井一平さんは普通の勤め人のようなきちんとした格好ででかけていき、不正をしていた会社側の人達対峙した時は場を和ませながら、わりとざっくばらんな口調で話をされてました。
それでいて問題を率直に、具体的に指摘して追及していました。
この会社は問題を認め、改善を約束したという事です。
なぜ、ここまで力を尽くすようになったのか?
鳥井一平さん自身が労働者として得た経験に、そのヒントがあるようです。
→鳥井一平さんの経歴などはこちらの記事で描いています。
自身が労働者として得た苦しい経験
鳥井一平さんは25歳で上京。
金型工場で働いていたときのこと。
夜勤明けに心臓発作で同僚が倒れた際、会社が労災を認めなかったことを機に、鳥井一平さんは組合を設立しますが、会社は嫌がらせをしてきます。
会社からの働きかけのせいで職場では誰も口をきいてくれなくなり、「朝、仕事に行こうとすると体がガタガタと震えた」と当時を振り返る鳥井一平さん。
そんなとき更なる不運が。
仕事中の事故で、こんどは鳥井さん自身が左手の中指を切断する大けがを負ってしまいます。
鳥井一平さんは工場の危険な箇所を調べ、会社に改善を求め始めます。
なんと、およそ一年間、たった一人で声を上げ続け、とうとう会社側も少しずつ職場を整備していき、結果、業績も伸びて行ったといいます。
経営者の反撃にあって大けがを…
この経験を経て、「もっと、多くの人達の力になりたい。」と他の会社で力を求める人がいれば、寝る間を惜しんで奔走するようになったのだそう。
そんな中、外国人労働者から賃金の未払いの相談を受け、差し押さえのために裁判所から派遣された執行官と会社に赴いた時の事。
追い詰められたその会社の社長の行動により、鳥井一平さんは2ヶ月入院するほどの大けがを負います。
(ショッキングな内容なので割愛しています)
しばらくして鳥井一平さんの胸に湧き上がってきたのは、意外な感情でした。
「悪と正義っていう分け方をするのは間違え」
「社長が悪いのは当然だが、なぜ社長がそこまでやったのかということを考えなくちゃいけない」
「裁判所と差し押さえに来た。その瞬間はやっぱり我々の側が権力になる」
「社長はそれに対し、抵抗することになる」
贈る喜びとは?
鳥井一平さんに「希望の明かりをともしてくれた」と紹介されていたのが、ラナさんという外国人労働者の方でした。
仕事中の事故の相談をきっかけに鳥井一平さんと出会ったラナさん。
会社と交渉する鳥井一平さんの姿を観て「私も誰かの力になりたい」と言って支援の活動に参加してくれたと言います。
それが、鳥井一平さんは本当にうれしかったのそう。
自分の好意を、誰かが別の人に贈ってくれ、社会が変わっていく。
その「贈る喜び」を知ると、やめられない。
頑張り続けられる。
そう語る鳥井一平さんの表情は本当に晴れやかで、優しかったです。